介護の職場で働いてきた人が医療現場で働けるようになりたいと考える際に、それまでのキャリアを活かすことができるのか疑問に思ってしまうかもしれません。多くの人は介護現場の仕事の方が専門性が低く、劣っているという印象を持っているからです。確かに専門性の高い医療の仕事と技術的な面を比べると、介護現場で必要とされている技術は限られていると感じてしまうのは仕方のないことかもしれません。しかし、それでもなお転職しようと考えるのであれば、重要になるのはキャリアです。
技術的な面ではなく、他のアピールポイントを武器に転職することを考えるのであれば、視点を変える必要があります。介護の職場の特徴は高齢者への対応を行うことであり、高齢者に対する治療や高齢者がかかりやすい疾患については詳しくなっているでしょう。それをキャリアとみなし、高齢者が多く受診する診療科目を選んで転職活動をすれば、チャンスは十分にあります。高齢者に接した経験が直接活かせるのは高齢者が多い診療科目であり、精神科がその代表例になるのではないでしょうか？
また、高齢者は生活習慣病に悩まされていることが多く、特に高血圧やそれに関連する疾患に悩まされている人が少なくありません。循環器内科はそういう意味では介護職の経験を活かせる場であると考えられるでしょう。医療の求人は何も資格を持った人ばかりに限定されているわけではありません。看護助手などは高齢者介護の経験を活かせる仕事なので、今まで培ってきた経験を活かした転職活動を行うようにしましょう。